物語と人物紹介

「よあけまえのキミへ」


 時は幕末。
 二月前に父を亡くし、料理茶屋「いずみ屋」の手伝いをしながら居候する少女「天野美湖」
 物語は、美湖が川辺で一枚の写真を拾うところからはじまる。

 拾い物は次々に縁をつなぎ、彼女の前にはやがて導かれるように六人の志士が集う。
 暗く冷たく、行く先の見えない運命のただなかを、彼らは手探りで進んでいく。
 やがてほのかな光に手が届くまで。
 長いようで短い、夜明けを待ち焦がれる時代に埋もれた、ちいさな恋の物語。
 さて、美湖が最後に手をとるのは――。


 このお話は
 「幕末に生きる少女が、その時代に生きる志士や組織との交流を経て成長していく」
 という内容の乙女ゲーム形式の連載になります。

 メインの登場人物は六人です。
 一人一人にスポットをあてながら、計六つのシナリオをお届けします。
 また、ストーリー上で多くの歴史人物や団体、事件などを扱いますが、
 オリジナル要素の強い「完全なフィクション」として楽しんでいただければと思います。
 独自の設定が多いので、苦手な方はご注意ください。
 ※ちなみに、一部史実と異なる時系列で物事が進みます。ifの世界とお考えください。
 幕末の知識が全くない方にも読んでいただけるように話を進めているつもりですので、
 陸援隊、海援隊といった組織になじみのない方も気軽に楽しんでいただけたら嬉しいです!

人物紹介

天野美湖(あまのみこ)

京都の料理茶屋「いずみ屋」に居候する少女。17歳。
川でたまたま中岡たちの写る写真を拾ったことがきっかけで、彼らと顔見知りになる。
それ以来「写真」という技術に興味津々。
好奇心旺盛で人なつっこい性格。
中岡慎太郎(なかおかしんたろう)

美湖が拾った写真の中央に写る人物。
肩にかけた真っ黒な外套が目印。
いつも堂々として落ち着いた振る舞いのやり手そうな志士だが、本人いわく貧乏らしい。
写真写りはいいほうで、実物よりも爽やかな表情でうつる。
女子相手でもやたらと手紙の文面が堅い。
田中顕助(たなかけんすけ)

拾った写真の持ち主として美湖の前に現れた浪士。
恐ろしく写真うつりが悪い。
大の写真嫌いだが、仲間と撮ったものだけは大切にしている。
筋肉質で力持ち。思い立ったら即行動。
大雑把で外見も怖いが、話してみると気さくで面倒見もいい。
その場のノリで美湖と「ダチ」になった。
大橋慎三(おおはししんぞう)

拾った写真に写る三人目の人物で、かつてはいずみ屋にもよく訪れていた浪士。
いつも笑顔で穏やかな癒し系お兄さん。
誰に対しても敬語をつかい、柔らかな物腰。
長身で目付きも鋭いので、正面から向かい合うと威圧感がある。
写真うつりはよく、実物以上に立派に撮れる。
美湖いわく「剣豪」
坂本龍馬(さかもとりょうま)

材木屋の「酢屋」に下宿する志士。
酢屋の前を流れる高瀬川で釣りをしている最中に、よく声をかけてくれる顔見知りだった。
ひょんなことからつながりを深め、部屋にあげてもらえるようになるが、実際は謎だらけ。
おしゃれで派手好き、そして話し上手。
何かと華がある太陽のようなお兄さん。
陸奥陽之助(むつようのすけ)

酢屋に下宿する浪士。
坂本の仕事仲間で、どうやら彼には逆らえない様子。
無口で不器用、基本的に面倒くさがりな一匹狼。
人付き合いが苦手。
写真はあまり好きではなく、自分が写ったものを人に見せたがらない。
美湖のことを嫌っているわけではないが、このまま坂本らと付き合いを続けることに反対している。
長岡謙吉(ながおかけんきち)

京の診療所「螢静堂」で出会った浪士。
元は医者で、現在は坂本と陸奥の仕事仲間。
いつも涼しい顔をして爽やかに笑っている。
聞き上手で、相手の本音を自然に引き出すのがうまい。
螢静堂の霧太郎や雪子とはそれなりに付き合いも長く、親しい仲。
神楽木かすみ(かぐらぎかすみ)

料理茶屋「いずみ屋」の店主。
近所でも噂の美女。20歳。
親を亡くしたばかりの美湖のことを気遣い、面倒を見てくれる姉のような存在。
熱心な絵画収集家であり、絵の中の男に夢中になりすぎるあまり、現実に目が向いていない。
神楽木雨京(かぐらぎうきょう)

京でも有名な高級料亭「かぐら屋」の二代目店主。
かすみの兄。26歳。
古いしきたりや礼儀作法を重んじる厳格な人間。
美湖のことを妹同然に思っており、事件と隔離すべく厳しく管理する。
山村雪子(やまむらせつこ)

美湖の親友。18歳。
螢静堂で兄の手伝いをしている。
明るく元気な、頼りになる女の子。
山村霧太郎(やまむらむたろう)

雪子の兄。25歳。
京で螢静堂という診療所を開く医者の青年。
長岡とは昔、大阪の医塾でともに学んでいた仲。
深門(みかど)

いずみ屋常連の浪士。矢生、水瀬の仲間。
人当たりがよく爽やかな青年で、美湖やかすみとも親しかった。
水瀬(みなせ)

口が悪く荒々しい性格の浪士。
かつては中岡たちの仲間だった。
いずみ屋に目をつけ、利用しようと企む。
矢生廉十郎(しきれんじゅうろう)

水瀬、深門と組んで各地で窃盗を働く謎の浪士。
かつては中岡たちの仲間だった。
三人の中では中心人物とされるが存在感がなく、その容姿と言動は人の記憶に残らない。
りく

矢生一派と行動を共にする少女。
男の前では猫をかぶりがちだが、本性は生意気で子供っぽい。矢生に心酔しており、美湖と敵対する。
因縁の相手だが、一派の真の目的は未だ分かっていない。

キャラについて



二次創作大歓迎です!
気に入ったキャラがいらっしゃいましたらどうぞ、絵でも文章でもお好きに使ってやってください!

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